2011年の秋
いけばな歳時記 季節の節目に出会う花!
2011年の秋
2011年10月29日(日) spectator:3238
- 今年も美しい紅葉をみせて…
- 庭木の実
実りの秋。冬の前にあでやかに着飾る秋。
一年を通じて人生と同じ過程を見せる自然は、新春の命の芽吹きから若い希望の春に始まり、緑深まる夏を謳歌し、実りと彩(いろどり)の秋に至る。
空は果てしなく碧く澄み、収穫の喜びと共に感銘深い艶やかな秋の色に包まれる。それはやがて何もかも白い雪で覆い尽くす冬の到来の前ぶれでもある。
移ろいゆく自然に人間は多くの情緒的な感慨で接してきた。それが文学や芸術の熟成なり日本人の感性を研ぎ澄ませてきた。
この大いなる自然の中で感じ、学び、我々の死生観をつくりだしてきた。
死を考えるために一年間のうちに生の本質を見せてくれている自然。
これ以下でもこれ以上でもない現実が我々の見ている人間も含めた自然の姿形である。
今年も我が家の庭にも秋が訪れた。
ナナカマドの実、ヤマボウシの実、藪小路の実、山吹の実、ムクゲの実、椿の実などたくさんの実をつけた。
そしてモミジ、ドウダンツツジ、ハナミズキ、ミセバヤなどの葉も趣き深い色づきを見せている。
なかでも目を引くのが、夏の暑さで枯れてしまったと思っていた「アブチロン」だ。
たくさんの花を咲かせている。
幾度か枯れてはまた葉を繁らせて花を咲かせたその生命力には感嘆してしまう。
皆、行く秋を愛おしむかのように秋の風に揺らいでいる。
長い白く凍てつく冬を前にして。
- アプチロンのかわいい花を一輪差しに
- 山吹の実
- ミセバヤの紅葉
- ムベの実
- コメント ○ご自由にお書き下さい。 (認証コードをお忘れなく!)
a:3238 t:1 y:0